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 法律婚関係にない男女間の子(非嫡出子)の相続分は、法律婚関係にある男女間の子(嫡出子)の2分の1とする(民法900条4項ただし書き)規定があるなど、法律婚外の子の相続分にもハンディキャップが置かれて来ました。この900条4項ただし書きについては、過去に何度か違憲論争が繰り返されており、また国連からは10度に渡る是正勧告があり、法制審議会では1996年に改正を答申したりもしていました。ようやく2013年9月4日に最高裁大法廷において、裁判官14名全員一致で、違憲無効との決定がなされました。婚外子の増加の他、晩婚化や非婚化、少子化、子を持つ夫婦の離婚の増加などで、家族や家庭のあり方、それに対する国民の意識が大きく多様化し、社会の変化が歴史的な判例変更を後押ししたということです。

 最高裁判決は事実上の法的拘束力があり、現時点で未決着の事案や今後発生する事案には、民法改正を待たずに今回の違憲判断が適用されます。ただ、混乱を避ける意味でも、国会は立法府として過去何回も行われた勧告や提言に対応しなかった不作為を反省し、速やかに民法改正をするべきです。また、今回の最高裁の審理は2001年7月の相続案件に対してなされ、その相続段階で既に900条4項ただし書きは違憲であったと認定しました。論理的には、この日以降この規定は違憲であったことになりますが、最高裁は、「違憲判断は確定した遺産分割には影響を及ぼさない」と、判断の不遡及に敢えて触れるなどの異例の言及もしています。婚外子が遺産分割のやり直しを求めると社会が混乱するという危惧が背景にあると思われます。今回の判決は画期的であると評価する向きが多いですが、当面混乱が続く可能性はあります。